アグラオネマピクタム覚書
目次
アグラオネマピクタム覚書
アグラオネマを育てて10年近くになりました。育成のための覚書を残しておきます。
あくまで持論で書いているところがありますので、そりゃ当たり前だろとか、うーん。その方法は良くない!とか異論はたくさんあると思います。
え、ええと。その点ご了承ください。
全般
- 気温は20度~30度の間で管理する。30度以上の暑さでも育つが小さい株はへばって溶けることもある。
- 夏の暑さには注意。30度を超えるような場所であれば、密封はせずに風通しを良くする。
- 冬は20度を切らないような場所に置く。できれば25度ぐらいあるところで育てた方がよい。
- 湿度は80%ぐらいの高めが良い。理想は湿度が高く風通しの良い環境。小さい温室や水槽、衣装箱を使い密封する場合は風通しが悪くなるので定期的に蓋をあけて風を通す。
- 室内での常湿でも育成可能。大きく根をしっかりと張った株であれば室内の観葉植物として置けます。ただし輸入したての株は弱っているので温室で養生してから室内に出したほうが良い。
- 冬はある程度乾燥させて管理する。肥料もあげない。例外として温室管理で気温が安定している環境であれば特に気にしない。
- 季節の移り変わり時には注意。温度の安定化が必要。温室に移動させたり、ヒーターを使って安定させる。
根が弱って倒れることがある。 - 大きく育ってぐらぐらし始めた株は支え棒を付けたほうがよい。つけないと茎に負担がかかり溶けて倒れることもある。大きくしないのであれば切って株分けをする。
- 割り箸の支え棒はNG。カビがでてそこから腐敗し倒れたことがある。
- 水をあげるのは用土が乾いたらであげる。自分は週に1回は水道水で水やりを兼ねて水通しをする。
- 根詰まりには注意。これも失敗する要因のひとつ。観察して根がいっぱいになってそうであれば気温が安定する時期3月~6月あたりに思い切って鉢を変えてしまう。鉢を大きくするのが難しい場合は適度に根を切って用土だけ交換する。
- 照明は何でも良いがLEDを使うと経済的。
- 鉢は何でも良い。
- 花芽を上げたら交配させない時は花芽を切ってしまう。花を楽しみたい時は切らなくてもよい。
どの植物もそうですが、いかに根を展開させてストレスなく育成できるかという事に尽きると思います。
用土編
これは正直なんでも良い。どんな用土でもアグラオネマは良く育ちますので好みの土を使う。
- 鉢の底には1cm程度軽石を入れて水はけを良くする。
- 用土は何でも良いが個人的に好きなものは鹿沼+赤玉+アクアソイルの配合。
鹿沼は若干大きめの粒を混ぜることで適度な空気の層が生まれて根張りがよくなる - 水コケを使うときはグレードが高めのものを使うと良い。自分はアマゾンのお得用を買っている。
- 養生するときは水コケが一番良いと思う。ただし、KN便ワイルド株の養生は除く。
植替え編
- 冬の植替えはやらない。気温が安定している春にやる。温室なら特に問題ないが注意。
- 植替えは鉢が根でいっぱいになったらする。根張りがよくないものは植替えはしない。
- 植替えはひとつ大きなサイズの鉢にする。大きくしたくない場合は根だけ切って同じ鉢に植えなおす。
- 植替え時にはダコニールを薄めに散布する。使った翌日にもう1回洗い流す。
- 植替え直後注意。植替え時にダコニールをかけたまま放置し、3日後ぐらいに溶けたことがある。直接の要因は不明だが、ダコニールは使った後は翌日を目処に水と通しをして洗い流す。
肥料編
肥料は薄め、少なめを心がける。失敗する要因のひとつは肥料
- 液体肥料を使うときは細心の注意を。絶対薄めで。冬は使わないほうがよい。
植え替えたばかりの株には使わないこと。小さい株にも使わないほうが良い。 - 液体肥料はハイポネックスを使う。
- 肥料はマガンプKを中心に薄めの液体肥料を補助で使う。
大きな株で成長期に入れば液体肥料も2週間に1回程度あげる。 - マガンプKも使いすぎは注意。適度に。
KN便養生編
手を抜くとすぐ溶けるので初期セットアップが必要。5年ぐらい前に初めて育てた時は半分ぐらいは溶けましたが、今では問題なく養生できるようになりました。同じワイルド株でも養生されて販売されているものや、他のルートから状態よく輸入できたものはこの様な手順を踏む必要はありません。
- 少しでも成功確立をあげるには10月~5月ぐらいに輸入されたものを選ぶこと。暑い時期のものはダメージが大きく失敗する確立が高くなる。
- 当たり前ですが状態がよいものを買う。最初から溶けているものは買わない。茎がふにゃふにゃしているものは買わない。ただし例外的に状態が悪くても柄がお化けのようにキレイなものは挑戦する。(ここ重要)たまにありえないぐらいキレイな柄のものが入ることがある。そこは失敗覚悟で挑戦を。
- 導入時に思い切って茎と根を切ってしまう。この記事でも書いたが株全体をロストすることを避けるため。
- KN便の育成は瓶差しでほぼ毎日水交換。芽が出たら水苔に植える。定期的にメネデールとタコニール入りの水を使う。鹿沼単用で養生もできるが、瓶指しがスペースをとらず、溶けた時のリスタートの手間が掛からないので個人的には好き。最初から水苔で植えても育つこともあるが状態の良い株以外は上手くいかないことが多い。
- 失敗しないコツとして養生時は低温・日陰で管理。これまでの経験になるが溶けにくい。25度以上になると溶けやすい気がする。
- 大きくなっても定期的にダコニールは散布する。どこかに弱っている要素が存在する可能性があるため、薬を使い弱るのを事前に防ぐ。
- 溶けた場合は溶けた箇所を容赦なく大きめに切る。切った場所はトッペジンで塞ぐ。
- 養生後は水苔から通常用土に移行する
増殖編(挿し木)
アグラオネマは誰でも簡単に増やせますので特にテクニックは必要ないです。挿し木をするときはカットする親株が元気な状態であれば特に問題ないです。
- ある程度大きくなったら茎の途中から切って株分けを。寒い時期にはやらないこと。切った茎のほうは水苔に植え込んで養生させる。これでたいてい元のほうからも芽がでて2株に増る。やり方はこの記事
- 切った方の株は根がでるまでメネデールなどで元気を与えること。根がある程度出るまでは肥料は絶対禁止。
増殖編(交配)
交配はたくさん株があった方がよいです。自家受粉もしますが受粉率が低くなると思うので、異なる株同士を交配させてた方がよいです。
- 花芽を上げたら花粉を採取する。蕾→雄花→花粉が吹く→雌花の順番に進むので花粉が吹いたら取得しておく。冷蔵庫で保管すれば1週間は最低でも持つと思われる。
- 採取した花粉を他の雌花に付ける。自分は麺棒を使用。
基本的に同じ時期に花が咲いている株がもうひとつ必要です。花粉の保管はできますが取れたの花粉の方が受粉率が圧倒的に高い。 - 受粉には湿度が必要。70%以上あれば受粉しやすい。常湿の場合は袋で覆うなどの工夫が必要。
- 1ヶ月ぐらいたって実が膨らんできたら受粉成功。
- 種の収穫は実が赤くなる前でも可能。ある程度大きくなったら実をはがして種を取って水苔に植える。すると2週間~1ヶ月ぐらい経つと種から芽がぽちっと出る。あとはその芽から葉っぱが出てくるので慎重に管理してでかくする。小さい苗は暑さに弱いので涼しく湿度の高い環境で大きくする必要がある。
失敗する要因
上で書いたことと重複しますが、失敗する要因。過去に自分が失敗した体験に基づいて書いてます。基本育成は簡単なので失敗しないですが、油断すると最悪枯れることがあります。
肥料のやりすぎ
特に液肥。与えすぎて根がやられて溶けたことが数回あり。液肥はとにかく薄めで与える。
植替えによるストレスと活力低下
植替え後、液肥は絶対に与えない。安定してから使うこと。水も与えすぎないこと。ダコニールを使う場合は使用翌日は水をとおして洗い流すこと。冬と真夏には植替えをやらないこと。植え替えた後は定期的にメネデールを与えたりして活力を与えること。
根詰まり
油断して一番起きるのがこの根詰まり。鉢がパンパンになってきたら大きめの鉢に植替えを。
暑さ・蒸れ
東京の真夏の室内は35度近くになることがあり、暑さが原因でやられることもあります。特に暑い状態で密封すると危険。密封する場合は必ずクーラーなどで温度を30度以下に下げる。クーラーを使えない環境の場合は密封はしない。ただし小さい株は暑さには弱いので涼しいところを移動させる。以外に寒さには強く20度を切らなければ特に問題はない。
まとめ
特に難しいポイントはなく、手間をかけずに簡単に育成できるのがアグラオネマの良いところです。アグラオネマは交配も簡単なのでオリジナル株を育てて自分だけの柄が作れるのもこの植物の醍醐味だと思います。
アグラオネマギャラリーを作ったので良かったら見てください。
育成用品の紹介
自分が良く使うものです。
メネデール
これがあれば弱っても平気。2Lタイプが使い勝手がよく長持ちしておすすめ。
水苔
日清 超圧縮水苔は安い割りに量もあり、質も悪くない。40Lは通常2000円程度するがamazonでも安い時は1000円ぐらいで買える。
マグァンプK
肥料と言えばこれ。植替え時にも特に意識せずを与えることができるので重宝する。ひとつ買えば1年以上は持つのでお得。