父親が違う双子――ブラジルの珍しい実例と科学の話 19歳女性が双子の兄弟を出産

子育て

2025年、ブラジルの19歳女性が双子の兄弟を出産し、その後のDNA鑑定で それぞれ父親が異なることが明らかになった事例が世界の話題となりました。 このような現象は非常に珍しく、「異父重複受精(heteropaternal superfecundation)」と呼ばれています。

そもそも、どうして父親が違う双子が生まれるの?

  • 女性が同じ排卵周期で2つの卵子を排卵
  • 短期間(通常24時間以内)に2人の男性と性交渉を持つ
  • それぞれの卵子が違う父親の精子で受精
  • 二卵性双生児(fraternal twins)として誕生

この現象は医学的にも認められており、全体の二卵性双生児の中でも極めてレアなケースです。

医師によると「実際、DNA検査の普及によってこのような事例が徐々に増えているが、 それでも100万件に1件以下の頻度」だと言われています。

ブラジル以外の過去の事例

アメリカ・ニュージャージー州(2015年)
女性が双子を出産、1人だけ父親が違うことが判明。裁判所が片方の父親にだけ養育費の支払いを命じた事件がありました。

ベトナム(2016年)
二卵性双生児の片方だけ、父親が異なることが地元の遺伝学協会によって認められ、メディアで報道されました。

コロンビア(2018年)
血縁検査で二卵性双生児の片方だけ父と一致せず、異父であることが証明されています。

こうした事例は、主にDNA鑑定が行われる機会が増えた結果発見が増えてきましたが、まだ稀な現象です。

科学的にどうやって起こるの?

人間は通常、ひと月に一つの卵子しか排卵しませんが、 稀に複数の卵子が同時に排卵されることがあります。これが「二卵性双生児」の始まりです。 このタイミングで異なる男性と性的関係をもつことで、卵子同士が違う精子で受精し、父親が違う双子が生まれるのです。

  • 卵子が生き延びるのは最大24時間程度
  • 精子は女性の体内で最大5日ほど生存

つまり、2人以上の男性と数日以内に性行為をするとまれに可能性が生まれる、ということになります。

今後このような事例は増える?

現在は分子検査技術(DNA検査)が急速に普及しているため、実際にはこれまで発見されなかったケースが見つかる可能性もあります。 それでも、偶然・タイミング・複数卵子の排卵など多数の条件が重ならないと起きない極めて稀な現象です。

まとめ

父親が異なる双子は、「異父重複受精」と呼ばれ、科学的に理論上・実際ともに可能ですが、 起きるためにはいくつもの偶然が重なる必要があります。人類史でも確認されている事例はごく少数です。 DNA技術の進化により、今後もう少し見つかるかもしれません。

参考・出典: CNN「New Jersey twins case」 / Wikipedia「Superfecundation」 / Times of India「Brazil rare twins case」 / McGill「How to Have Twins With Different Fathers」

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