【永久保存版】三沢光晴の技と伝説のベストバウトまとめ|王道プロレスの真髄

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プロレス界の永遠のレジェンド、「エルボーの貴公子」こと三沢光晴

2代目タイガーマスクとしての華麗な空中殺法と、素顔に戻ってからの受けの強さ、そして相手を叩き潰すようなハードヒットが融合した彼のファイトスタイルは、まさに「王道プロレス」そのものでした。

今回は、三沢光晴の代名詞とも言える「必殺技の数々」と、それらの技がドラマを生んだ「伝説のベストバウト3選」をまとめて解説します。


三沢光晴の技:カテゴリー別解説

三沢選手の強さは、「相手の技をすべて受けきった上で、シンプルな技でねじ伏せる」という美学にありました。

1. 打撃技(エルボー)

三沢選手といえば、何と言ってもエルボーです。シンプルな技を必殺技の域まで高めました。

  • エルボー・バット: あらゆる局面で放つ基本技。「カチ上げ式」と呼ばれる、下から顎を打ち抜く軌道が特徴。
  • ワンツー・エルボー: 左右の連打。試合のリズムを作る重要な技です。
  • ローリング・エルボー: 体を回転させて遠心力を乗せて放つ強力な一撃。ここぞという場面で繰り出され、試合の流れを一気に変えます。
  • ランニング・エルボー: 走り込んで放つエルボー。相手がダウンしている時や、カウンターとしても使用。
  • エルボー・スイシーダ: リング内から場外の相手に向かって、トップロープとセカンドロープの間をすり抜けながら放つ特攻エルボー。

ポイント: 三沢のエルボーは、単に腕をぶつけるのではなく、腰の回転と体重移動が完璧に乗っているため、非常に重く、会場の隅まで「ゴツッ」という鈍い音が響くほどでした。

2. 必殺技・フィニッシュホールド

試合を決めるための、破壊力抜群の大技です。

  • エメラルド・フロウジョン: 三沢独自のオリジナル・フィニッシュ・ホールド。相手をボディスラムの体勢で右肩に担ぎ上げ、そのままエメラルドグリーンのマットへ脳天から垂直気味に落とす技。
  • タイガー・ドライバー: 2代目タイガーマスク時代からの名残を感じさせる投げ技。相手の両腕を固めて持ち上げ、前方に叩きつけます。
  • タイガー・ドライバー’91: 持ち上げた後、手を放さずに相手の頭部から垂直にマットへ突き刺す戦慄の技。文字通り「必殺」の切り札であり、数えるほどしか使用されていません。

3. スープレックス・関節技・その他

受け身の達人である三沢選手は、投げる技術やサブミッションも超一流でした。

  • タイガー・スープレックス’84: 相手の腕をチキンウィングで固めて後方へ投げる技。
  • 雪崩式ブレーンバスター: コーナー最上段からの投げ技。ここ一番の大一番で見せることがありました。
  • フェイスロック: 師匠であるジャイアント馬場やジャンボ鶴田への対抗策として磨かれた関節技。ここからさらに締め上げるバリエーションも存在します。
  • フライング・ボディプレス: トップロープからカエルのようなフォームで放つ空中技。

技が紡いだ物語:伝説のベストバウト3選

三沢光晴の技は、激闘の中でこそ真価を発揮しました。彼のキャリアを語る上で欠かせない3つの試合と、そこで鍵となった技を紹介します。

1. 伝説の始まり:vs ジャンボ鶴田

(1990年6月8日 日本武道館)

三沢が2代目タイガーのマスクを脱ぎ、エース・鶴田に挑んだ「世代交代」の狼煙となった試合です。

  • 鍵となった技【フェイスロック】

    体格とパワーで勝る怪物・鶴田に対抗するため、三沢が徹底して磨いたのがこの技。試合中盤、執拗にフェイスロックで鶴田の体力を削り、スタミナを奪うことで勝機を見出しました。
  • 決着

    最後は必殺技ではなく、鶴田のバックドロップを空中で体を入れ替えて押し潰すという、とっさの「丸め込み」で3カウント。まだ大技が開発される前、「技の読み合い」で巨塔を崩した若き日の名勝負です。

2. 四天王プロレスの最高到達点:vs 川田利明

(1994年6月3日 日本武道館)

高校時代の後輩であり、最大のライバルである川田との三冠ヘビー級選手権。「プロレス史上最高の試合の一つ」と世界中で語り継がれる死闘です。

  • 鍵となった技【エルボーの応酬】

    互いに意地だけで立ち上がり、何十発もの打撃を打ち合いました。三沢のエルボーが単なる攻撃ではなく、相手の心を折るための「魂の連打」であることを証明しました。
  • 決着【タイガー・ドライバー’91】

    通常のタイガー・ドライバーでは川田が沈まないと判断した三沢が、ついに封印を解いた「頭から垂直に落とす」戦慄の変型版で3カウント。会場が歓声ではなく悲鳴に包まれた瞬間でした。

3. 極限を超えた死闘:vs 小橋建太

(2003年3月1日 日本武道館 / GHCヘビー級選手権)

全日本からノアへ舞台を移し、かつての付き人・小橋と行った頂上決戦。お互いの手の内を知り尽くした二人が、限界を突破し合った試合です。

  • 鍵となった技【花道からのタイガー・スープレックス】

    リング外の入場花道(高い段差)から、場外の床へ向けて小橋を投げ捨てた狂気のシーン。「受け身の天才」である三沢だからこそ、相手(小橋)の強さを信頼して繰り出せた攻撃です。
  • 決着

    絶対的な必殺技であるエメラルド・フロウジョンを小橋に返され、三沢の表情に初めて焦りの色が浮かびました。最終的に敗れはしましたが、三沢光晴という「高い壁」の凄みが凝縮された試合です。

まとめ:三沢光晴のプロレスとは

  1. フェイスロックで相手を削り、
  2. エルボーで真っ向勝負し、
  3. 相手が限界を超えてきたらエメラルド・フロウジョンで仕留める。
  4. それでもダメなら、タイガー・ドライバー’91という「禁断の切り札」を抜く。

このように、「相手のレベルに合わせて技の危険度(ギア)を上げていく」戦い方こそが、観客を熱狂させた王道プロレスの正体でした。

記録にも記憶にも残る三沢光晴の技の数々は、今も多くのレスラーに受け継がれ、ファンの心の中で生き続けています。

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